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【書籍紹介】マンガ認知症 【6種類の障害】

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家族内で認知症を経験したこともあり、少し勉強のために手に取りました。


選んだ理由

上述の通り、認知症の家族を持った経験もあり、両親もいずれそうなる可能性もあるのかと思い、少し勉強してみようと思った次第です。

また、「マンガ」なので、読みやすいかなと思ったのも理由の一つです。

著者

ニコ・ニコルソン/佐藤眞一

ニコ・ニコルソンさんは宮城県出身の漫画家、イラストレーター。

祖母が認知症を発症されている。

佐藤眞一さんは東京出身の医学博士。

日本応用老年学会理事、日本老年臨床心理学会理事、日本老年社会学会理事。

認知症に詳しい。

認知症について

本書によると、認知症の定義について以下のように書かれています。

①何らかの脳の疾患により

②認知機能が障害されて

③生活機能も障害される

①何らかの脳の疾患について

これは、脳の萎縮、脳の血管のつまり、出血が原因となるそうです。

高齢になるにつれて、脳疾患のリスクは高まります。

②認知機能障害

認知機能障害により、物忘れが増えたり、判断力・見識力が低下したり、言葉が出にくくなります。

目の前のものが何かわからなくなってしまいます。

③生活機能障害

以下の6種類の障害が現れるようになります。

1.知覚運動 迷子、服の脱ぎ着ができない

2.言語 言葉が出ない、人の名前がわからない、話の理解ができない

3.学習・記憶 短期記憶、長期記憶がしづらくなる

4.複雑性注意 料理、運転ができない、気が散りやすい

5.遂行(実行)機能 予定が立てられない、無気力、安産ができない

6.社会的認知 表情から気持ちが読み取れない、思いやり欠如、我慢できない、暴言、攻撃敵になる

ピックアップ<突然怒り出す>

認知症になると、突然怒り出す現象があります。

私の家でも、この事象は多々ありました。

家の中が殺伐とし、とても嫌な空間でした。

突然怒り出す理由

以下の2つの理由から、突然怒り出すとのことです。

脳の前頭葉が萎縮するという脳機能の問題
自分のプライドを守ろうとするために他者を攻撃してしまうという心理的な問題

特に、今までできていたことができなくなる自分を認めたくない気持ちが、他者の攻撃につながるという構造は、説明されてなるほどと思いました。

自分の老いを認めるのは容易ではないのかもしれません。

対策

対策案としては、以下が挙げられます。

夕方の時間に気分転換してもらう

会話を心がける

時には距離を置く

原因ははっきりわかっていないそうですが、夕方に突然怒り出す事例が多いようです(夕方症候群)。

なので、この夕方に予定を入れてあげると夕方症候群を回避しやすくなるそうです。

人の訪問を夕方にセッティングしたり、お茶飲み話を夕方にしたり、おやつの時間にしたり、です。

また、時には怒っている状態でも近づいて対応せずに距離を置くことも大事だそうです。

感想

ニコさん、佐藤さんの実体験を踏まえた認知症に関するエピソードを漫画でわかりやすく伝えてくれています。

とてもわかりやすく、認知症に対する見方が変わるきっかけとなりました。

認知症になると、ただボケていくという認識でしたが、周りももちろん辛いですけど、一番辛いのは認知症になった本人であるように考えが変わりました。

今までわかっていたことがわからなくなり、できていたことができなくなり、毎日、不安と恐怖で押しつぶされそうになっているという事実を知ると、介護側が被害者みたいに思えなくなりました。

自分の両親もいつか認知症になるかもしれません。

元気な今の時間を大切にしながら、もしそうなった場合に適切に対応できるように今から準備しておこうと思える内容でした。


著者の他の作品

ニコさんの作品です。

佐藤さんの作品です。



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