引き止めに動じなかった理由
前記事に続き、思うところを書き連ねています。

上司との退職相談は初日3時間ほどかかり、OKはいただけませんでした。
上司のことはとても尊敬していて、技術力も高く、人間的にも温かい人です。
1年目からとてもお世話になっている方が、私の退職年度に直属の上長でした。
とてもいい方たのですが、退職会議の際の言葉は私の決意が揺らぐ様なものではありませんでした。
なぜならその人の言葉ではなく、上司という役割を身に纏った状態での言葉というのが伝わったためです。
また、事前に自分の価値観に優先順位をつけていたことも、意志がブレなかった要因と考えます。
現状の私が大事にしたい価値観の優先順位です。
1.健康
2.時間
3.家族
4.人
5.趣味
6.お金
7.地位
8.使命
これらを踏まえて、上司との面談時の内容を振り返ります。
引き留めの言葉として初日に頂いた言葉が以下になります。
・せっかく大きな会社に入ったのにもったいない
・自分たちが社会インフラを支えており、凄い
・お金もそれなりに貰える
・辞められると職場が回らない
「せっかく大きな会社に入ったのにもったいない」について
これは地位に関する内容と思います。
大きな会社、立派な会社、伝統ある会社、これらに価値を見出し、価値を感じながら生きている人には、辞めるという選択肢が薄まる箇所になります。
会社の規模やネームバリューには私は何も魅力を感じていませんでした。
価値観の優先順位で地位は7/8です。
会社の名前で自分の価値が決められるよりも、自分のスキル自体に価値を持たせる方が、今後生きていく上で強い武器になると考えます。
会社に頼りすぎることなく生きる、依存しすぎない、ということを念頭に、常に自己研鑽に励みたいという思いです。
また、会社に限らず、自分のポジション、役職についても、一応社内の試験を受けて合格し、昇格したという結果があります。
その過程で、論文や面接の準備に時間を費やしましたし、収入増にもつなげることができました。
ただ、年齢とともに役割が変わっただけで、偉くなったという認識はなく、役職に関する価値も私の中では低かったです。
それよりも、自分をあえて新しい環境に置き、一からレベル上げした方がスキル単体でも、これまでの経験との掛け算的な考えでも、伸び代があり、ワクワクも大きいという結論に至った次第です。
地位に関する内容は私には響きませんでした。
「自分たちが社会インフラを支えており、凄い」について
これは使命にあたる内容と思います。
確かに取り扱う製品は、社会インフラを支える重要設備で、これらの製品がなくなったり、不具合が生じると、社会的に大規模な損害が出ることは必至です。
これまでも、多くの企業様の現場に出向きましたが、どれも社会的に影響力の大きい事業を展開している企業のため、毎度、頭をフル回転させながら仕事を完遂させることに注力していました。
自分が社会のために役立っているという感覚は生きていく上で重要と思います。
しかし、何事もバランスが大事とも考えます。
私にとっては、使命をまっとうしたときに得られる充実感に対して、失う時間や、消耗する体力、削られる精神といった代償があまりにも大きすぎました。
人には人それぞれの役割があり、きっとその人にあった居場所があると信じています。
大事にしたい価値観としては8/8で一番低いというのもありますが、新天地では使命感を蔑ろにするつもりはなく、自分の仕事に誇りを持って働きたいと思っています。
ただ、これまでの仕事において、使命感は私を留まらせる要因としては小さいものでした。
「お金もそれなりに貰える」について
お金に関する内容です。
確かに、同世代と比べて収入は若干多い水準になると思います。
会社全体の平均年収だけを見ても、地元でそれらを超える平均年収の企業はほとんどありません。
しかし、お金に縛られて会社に縛られる生活は嫌で、少なくともこの2年間はお金に関する勉強を続け、出来る限り行動してきました。
自分の最低限必要な支出はどのくらいか、不要な支出をしていないかの見直し
貯蓄率の把握
資産運用
FP3級取得
お金の知識を身につけて、できうる限り、お金に関する理由で会社に依存しない態勢作りに勤しんできました。
最終的にはお金に関する今後の見通しが立ち、最悪、無職になってもしばらく生きていくことができる準備もできました。
お金に悩まないために、お金の勉強をし、お金に関する力をつけていくことが肝要で、この姿勢は、一生ものと思います。
「辞められると職場が回らない」について
どの価値観にも分類できませんが、私には響かない内容でした。
会社は誰が抜けても回ります。
私が抜けても平然と回り続けると思っていました。
実際、会社を離れた今でも静かに回っています。
ここでは、嫌われる勇気の内容を思い出していました。
自分の課題と他者の課題を分けて考える
自分が抜けて会社が回らない場合、その課題は会社の課題だと思いました。
私は最低限、いつ抜けても大丈夫なように仕事を進めてきましたので、その会社の課題についてまで頭を悩ませるつもりはありませんでした。
人は自分のことを過大評価する生き物と聞きます。
自分が抱えていた仕事を誰が担うかといった問題もありますが、自分にはできうる限りの引継ぎ事項を残すまでしかできません。
その後の采配は、指揮をする役割の人が考えることです。
良くも悪くもいい人気質の私ですが、ここは断固たる決意で構えていたため、何もぶれることはありませんでした。
最後に
上司への退職相談時には、いろいろ引き止めに関する話が出るかもしれません。
それでも、自分の意志を貫くには、自分の中で確固たる軸を用意しておくことが重要です。
自分の人生は自分で切り開くしかありません。
周りになんと言われようとも、逆に何も言われなくても、自分で考え、選び、行動するだけです。
1回きりの人生、後悔のないように生きていきたいです。です。
現場からは以上です。
行動を起こすきっかけとなった一冊です。